大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)261 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人高沢正治の上告趣意第一点について。

憲法三七条二項は裁判所に対し被告人側から申請した証拠をすべて取調べなけれ

ばならないとしたものではなく、弁護人のした被告人の精神鑑定の申請を却下した

からといつて憲法三七条二項に違反するものでないことは当裁判所の判例により明

かである。 (昭和二三年(れ)八八号、同年六月二三日、大法廷判決、判例集二

巻七号七三四頁)本件記録を調べてみると、第一審裁判所は弁護人の申請により鑑

定人一名を採用し、更に検察官の申請により鑑定人一名を採用して、それぞれ被告

人の精神鑑定をさせ、その二名の鑑定人の鑑定書と他の証拠とによつて、被告人が

犯行当時心神耗弱の状態にあつたものと判断しているので、原審裁判所はそれ以上

更らに精神鑑定をすることを不必要と認めて、弁護人の鑑定申請を却下したのであ

る。してみれば原審に所論のような憲法違反なきこと、前記判例に徴して明らかで

ある。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は事実誤認量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。

被告人の上告趣意は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条所定の適法な上告理

由にあたらない。

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年五月三一日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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