大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)274 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人花房多喜雄の上告趣意第一点について。

所論(イ)の(2)に指摘する、原判決理由第二に挙げられた「検察官作成のA

に対する第一回供述調書」が記録二九〇丁に綴られている昭和二八年一〇月二一日

附のものを指すことは、記録上疑を容れない。本件起訴が昭和二八年八月二〇日で

あることに徴すれば、右は起訴後第一回の検察官に対する供述調書の意味であつて、

所論起訴前の検察官に対する第一回供述調書とは別箇のものであることが明らかで

ある。そうだとすれば原判決に所論(イ)のような違法のないことは、おのずから

判明する。

次に所論(ロ)は、原判決は虚無の証拠によつて本件犯罪の動機を認定したもの

であると主張するけれども、原判決挙示の各証拠を記録について吟味してみれば、

これ等を綜合することによつて原判示のような動機を認定できなくはない。従つて

虚無の証拠によつて事実を認定したという違法はない。

以上の次第であるから、所論援用の各判例はいずれも本件とは場合を異にし、判

例違反の主張は理由がない。

同第二点について。

論旨は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由とならない。(原判決の

判断が所論のように実験則に反するものとは認められない。)

同第三点について。

論旨は原判決における証拠の取捨を非難し併せて事実誤認を主張するものであつ

て、適法な上告理由とならない。

同弁護人の上告趣意補充申立について。

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論旨は量刑不当の主張であつて適法な上告理由とならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年一二月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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