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最高裁判所第三小法廷 昭和30(し)46 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

本件特別抗告の趣意は別紙のとおりである。

所論は本件異議の申立を棄却した原決定の憲法三七条三項違反を主張するのであ

るが、その実質は控訴趣意書差出最終日の通知に関する単なる刑訴法又は刑訴規則

違背の主張に帰するものであつて、刑訴四三三条所定の事由に当らない。

なお、本件記録に徴すれば、原審は昭和三〇年五月三〇日第一審から上訴記録の

送付を受け、即日控訴申立人である被告人本人に対し弁護人選任に関する通知書と

共に控訴趣意書差出最終日を同年七月四日と指定した通知書を発送し、該通知書が

被告人に送達されたのは同年六月一日午前八時五〇分であること、並びに右被告人

の原審における弁護人選任届は同年五月二八日附であるが原審に提出されたのは同

年六月一日であること明らかである。されば右弁護人選任届が原審に提出されたの

は控訴趣意書差出最終日を指定した通知書発送後であること明瞭であつて、刑訴規

則二三六条一項が控訴申立人に弁護人があるときは弁護人にも右最終日の通知をし

なければならないと規定しているのは、最終日指定当時既に弁護人選任届の提出さ

れているときは、その弁護人にも最終日を通知することを要するとした趣旨と解す

べきであるから(昭和二五年(あ)二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、

集六巻五号七三三頁参照)原審が前記のように控訴趣意書差出最終日指定の後に弁

護人選任届の提出された弁護人溝渕亀澄に対して、最終日の通知をしなかつたこと

は当然であつてこの点に関し原審の手続に何等違法はない。

よつて刑訴四三四条、四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文の通り決

定する。

昭和三〇年一一月二九日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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