大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)1005 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理入芝権四郎、関原勇、青柳盛雄の上告理由各第一点について。

所論甲一号証は、被上告人が上告人を突き飛ばしその場に顛倒せしめて暴行を加

えたとのいわゆる単純暴行罪に関する略式命令であり、原審はこれを右同旨の事実

を認定するにあたつてその証拠資料としていることが原判決に明らかであるから、

所論の点につき原判決に理由不備の違法はない。

又所論乙一号証は、上告人の供述を録取した公務員作成の書面であつて、その記

載が上告人の真実の供述を録取したものとの心証を得たとき、裁判所がこれを事実

認定の証拠資料となし得ることはまことに明らかであり、右に関する所論は結局そ

の前提において失当たるを免がれない。

その余の論旨は、実質上原審の事実認定及びその証拠の取捨判断を非難するに帰

着し上告適法の理由にあたらない。

同上告理由各第二、第三点について。

論旨は、被上告人の所為と上告人の疾患との間に相当因果関係ありとなし難いと

の原審の判断を争うに帰着するが、原審は上告人が判示場所に顛倒するに至つたに

ついて被上告人にその責なしと断定し得ないけれども、右場所その他当時の諸般の

状況に照し上告人の受けた外傷は被上告人の所為並びに右顛倒自体によつて直接生

じたものではなく、被上告人以外の者の所為に基くものであり、神経性疾患は右傷

害等を誘因とする心因性反応の一であつて、被上告人の所為との間に相当因果関係

を欠くものである旨を詳細に認定判断しているのであつて、その認定事実関係のも

とにおいてその判断の相当であることを肯認するに足り、この点につき所論違法は

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ない。

その余の論旨はすべて結局、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を

主張するものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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