大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)162 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人有西末吉の上告理由について。

所論一ないし三について。

原審において被控訴人であつたDが、Bから控訴人(上告人)を相手方とする当

事者参加がなされて後、本件訴訟より脱退する旨申し立て(昭和二八年一月一九日)、

控訴人(上告人)が昭和二九年一月二六日の口頭弁論において右脱退に同意する旨

述べたことは、記録上明らかであるから、右Dは民訴七二条により控訴人の同意が

あつたときにおいて、本件訴訟から有効に脱退したものというべきである。従つて

原審が右脱退後のDを証人として訊問したのは正当であつて、右証言を事実認定の

資料としてもなんら違法ではない。原審が理由のはじめに「当審証人D」と判示し

ながら「昭和二三年八月一六日ごろこれを被控訴人Dに売却したが」と判示してい

ることは所論のとおりであるが、このことは以上の経緯からいつて記録上明白な誤

記と認められるから、上告理由として採用のかぎりでない。また原審は、所論「買

戻」の事実を証人Dの証言によつて認定しているものと認められるから、理由を附

しない違法はない。また原審における参加人Bの表示に関する主張は、原判決を違

法とするに足りない。

所論四について。

所論の原判示は簡に失するけれども、結局「原判決理由中この点に関する説示の

とおりであり」とし、第一審判決の理由を引用して上告人が賃借権を有する旨の主

張を排斥したことに帰するから、所論のような違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

- 1 -

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!