大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)209 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人林原吉春、同復代理人篠原一男の上告理由第一点について。

政府が所論自作農創設特別措置法三〇条の規定により、いわゆる未墾地を買収す

るにあたり、ある土地が開墾に適するかどうかを判断することは、一応関係行政庁

の判断に委せられていること、所論のとおりであるが、未墾地の買収は同条及び同

法一条の定める目的に適合する場合であることを要するのであるから、関係行政庁

は、この点の認定につき専権を有するものと解すべきではなく、客観的にみて開墾

に適しない土地を買収することは、法の趣旨に反し、違法であるといわなければな

らない。原判決が、本件買収の違法であることの理由とした所論(ハ)の説明には

妥当を欠くものがあるけれども、原審は、右の説明とはかかわりなく、本件土地が

傾斜度、地形、環境、地況等からみて肥培収穫に著しく困難であるとし、客観的に

開墾に適しないものと判断した趣旨であつて、その認定した事実に基けば右の判断

は相当と認められ、本件買収は法の目的趣旨に適合しないものということができる

から、これを違法であるとした原審の判断は相当であり、原判決には所論法規の解

釈適用を誤つた違法はない。なお、論旨は原判決が憲法に定めた権力分立をみだす

ものというが、本件買収が裁量権の限界を越えたものと認められる以上、裁判所が

これを取り消すことは、もとより正当であるから、その違法であることを前提とす

る所論も採用することができない。

同第二点について。

原判決が本件土地の買収を違法であると判断したことが正当であることは、前論

旨につき説示したとおりである。原判決理由中「開墾不適でない」と述べているの

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は、開墾してできないことはないとした趣旨と認められるので、原判決には所論の

矛盾は認められない。論旨は理由不備、採証法則違反をいうけれども、その実質は

結局原審が適法にした証拠の採否並びにこれに基く判断を非難するに帰し採用する

ことができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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