大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)269 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大川修造の上告理由第一点について。

所論は、被上告人は、本件和牛を贈与したことを自白していると前提し、原判決

は審理不尽その他の違法があると主張する。記録を調べてみると、上告人は係争和

牛の所有権取得原因として、被上告人から贈与を受けた旨主張したのに対し、被上

告人は、右牛は一たん上告人の父Dに贈与したが、その後同人との間に右牛と被上

告人所有のその親牛とを交換し、結局本件牛は被上告人の所有に帰した旨答弁した

ことが認められる。そして原審は、証拠に基き被上告人主張の右事実を認定したの

であるが、右のように被上告人が、本件牛を上告人の父Dに贈与したとの陳述は、

上告人が贈与を受けたという上告人の主張事実に対する自白でないことはいうまで

もない。従つて、原判決が自白に反する認定をした違法があるとする所論は採用で

きない。

同第二点について。

所論は、第一点の所論に基いて、原判決にはまた採証法則の違反があると主張す

る。しかし所論は結局独自の見解に立つて、原審の証拠の取捨判断ないし事実認定

を非難するにすぎない。そして原判決の引用する証拠と判示説明とを精読してみる

と、原審の結論は相当と認められ所論の違法があるとは認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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