大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)321 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鍛治利一の上告理由第一点第二点について。

所論は、いずれも原判決が本件土地について売買契約の成立を認定したことを非

難するに帰する。しかし原審挙示の証拠によれば、係争土地につき、本件当事者間

に原判示の如き停止条件附の売買契約が成立したという原審の認定は十分首肯する

に足り、右の如き契約が農地調整法四条に反しないことはいうまでもない。所論は、

結局原審の適法になした証拠の取捨判断、事実認定を非難し、かつこれを前提とし

て原判決を攻撃するに帰する。論旨第二点引用の判例は、本件と事実関係を異にし、

本件に適切でなく、所論はすべて採用できない。

同第三点について。

所論は、本件における知事の許可の関係について原判決の解釈に違法があると主

張する。しかし原審は、被上告人と上告人との間において、被上告人が本件土地を

工場敷地とするため、小作人Dより賃借権の譲渡を受け、これにつき知事の許可あ

りたるときは、上告人が右土地の地目を宅地に変換の申告並びに登記手続をするこ

とを約定したという趣旨の事実を認定しているのであるから、上告人は右約旨に従

いこれを履行する義務があることはいうまでもなく、その他原審認定の事実関係の

下において、上告人に右義務が存しないと解すべき根拠はない。所論は、独自の見

解であつて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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