大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)388 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高橋正義の上告理由第一点について。

論旨は、被上告人が本件手形を、満期日に支払われなかつたものであることを知

つて取得した事実を以て、悪意乃至過失と主張するものと解される。しかし、手形

法二〇条はいわゆる期限後裏書の効力に関し「指名債権ノ譲渡ノ効力ノミヲ有ス」

と規定しているのであつて、期限後の裏書人が手形上の権利を有する以上、右手形

が満期日に支払がなかつたことを知つて譲受けた者であつても、これがため手形上

の権利を行使し得ないとする根拠はない。論旨は理由がない。

同第二点について。

原審は、本件手形のD銀行に対する裏書譲渡が取立委任の目的でなされたことを

認むべき証拠はない、と判断しているのであるから、所論は原判示に沿わない事実

を前提として原判決の違法を主張するに帰し、上告適法の理由と認められない。

同第三点について。

手形法二〇条は期限後裏書の効力につき規定しているに止まり、期限後における

手形債権譲渡の方式を定めたものではないと解すべきである。所論は独自の見解で

あつて採用できない。

同第四点について。

所論は原審で主張しなかつた事実を前提とするか、または原審の認定に反する事

実を前提とするものであつて、採用の限りでない。

同第五点について。

所論は原審における証拠の採否を非難するに帰するから採用することができない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

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