大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)417 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岩沢誠の上告理由は末尾添付のとおりである。

同第一点について。

論旨は、原判決は農地調整法九条、三条並に行政処分の法律行為的性格を充分に

研究しなかつたため、その解釈を誤つたものであるというが、論旨の採用できない

ことは昭和二五年(オ)第一六八号同二九年九月二八日当裁判所第三小法廷判決(

集八巻九号一七七九頁)の明らかにするところである。

同第二点について。

論旨は、指令書の作成や発送にたずさわつた淨書係及発送係はいわゆる行政機関

でなく第三者であり別個の存在であるという。しかしこれらは、何れも知事の指揮

監督の下にその職務を行うものであるから第三者ではなくその過失は行政機関内部

の過失に外ならないものである。従て、本件のような場合、行政機関乃至国がその

行為の無効を主張するは許されない、論旨は理由がない。

同第三点について。

論旨は、原判決のように行政処分について取消を許されないと解するならば抗告

訴訟を法律で認めた趣旨が没却され憲法三二条に違反するというが、所論のような

ことを原判決は判示しているのでないからその前提を欠くものである(原判決はい

かなる場合でも行政処分が取消せないといつているのではない。本件の場合は、農

地賃貸借解約許可という処分の性質と、またとくに許可に基き被上告人が解約申入

を行い、すでに解約の効力が生じていることを理由に取消し得ないとしているにす

ぎない)。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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