大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)481 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告会社代表者Dの上告理由について。

原判決は、上告会社はDとEの二名が代表取締役であり、従つて右両名が各自会

社を代表すべき権限があつたこと、また本件約束手形の振出名義人である上告会社

取締役社長Dの記名捺印が、上告会社の印顆によつて顕出されたものである事実は、

原審において当事者間に争いがないことに基き、右Eは、会社のため上告会社名義

の約束手形を振り出したものと認定した趣旨であり、この認定は反証のないかぎり、

右手形の作成は、当時上告会社代表者の意思に反しないことをも認定した趣旨であ

ると解するを相当とする。そして原審の挙示する各証拠を検討してみると、この認

定は相当であつて誤りであるとはいえない。所論は前段において種々の事実を述べ

ているが、原審は十分に審理を遂げた上かかる事実を認めなかつた趣旨であること

は、判文と記録上明らかであつて、所論は、これと異なる見解を主張するに帰し採

用できない。所論後段は、本件手形振出には、原因債権が存しないという主張であ

るが、かかる抗弁は原審で提出されず、従つて原審の判断のなかつた事項であるか

ら、これまた採用のかぎりでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

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