大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)503 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高橋義次、同保坂治喜、同黒沢辰三の上告理由第一点について。

所論について記録を調べてみると、所論の被上告人(第一審原告)の自白として、

第一審においては、原告自身の行為として所論指摘の吉ヶ沢山林を被告等に売渡し、

後にこれを解除し受取つた代金一〇万円を未だ被告等に返還していないという趣旨

の釈明をしたことが認められるが(昭和二七年五月二〇日口頭弁論調書、記録二六

一丁)、控訴審においてはかかる売渡しをしたことはなく(昭和二八年一〇月五日

調書、記録三九四丁)、それは被控訴人(被上告人)が直接売渡した事実はないと

いうことであると釈明したことが認められる(昭和二八年一〇月二九日調書、記録

四〇九丁)。そして右吉ヶ沢山林の売買契約は、上告人等が事実上被上告人の亡父

Dを相手方として締結したものであることは、上告人等が控訴審において明らかに

主張するに至つたのであるから(原判決事実摘示参照)、その後被控訴人が右吉ヶ

沢山林の売買関係に関する自白をすべて錯誤に基くとして撤回したことは(昭和二

九年一月一一日調書、四四九丁)、これらの経過を示す弁論の全趣旨からいつて肯

認できるところであつて、原判決が被上告人の自白の取消を有効と認めたのは相当

であり、所論は採用できない。

同第二点について。

所論によつて記録を調べてみると、指摘の部分は、調書の前後の記載及びその体

裁から見て、未だ右弁論調書を抹消ないし廃棄したものとはとうてい認めることは

できない。のみならず当該部分に記載されている所論の証人E、同Fの証言は、な

んら原審の事実認定の根拠となつていないから、所論は採用に値しない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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