大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)7 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田辺恒之、同中島登喜治、同千葉宗八、同青柳洋の上告理由第一点の

第一について。

原判決挙示の証拠によれば、所論代物弁済に関する契約のなされた事実を認め得

られなくはない。該契約が公正証書に記載されていないからとてかかる契約はなか

つたのだということはできない。かかる契約の成立を認定しても経験則に違反する

ということはできない。論旨は採用できない。

同第一点の第二について。

論旨は事実認定の非難に帰する。原判決には所論のような違法はない。

同第二点について。

原判決には所論のような経験則違背はない。所論のような事実の推定に基いて代

物弁済契約はなかつたとの認定をすべきではない。

同第三点について。

原審は、所論摘示の供述部分を採用しなかつたものであること原判文上明らかで

ある。原判決には所論のような違法はない。

同第四点について。

論旨は事実認定の非難に帰する。原判決には所論のような採証法則の違背、経験

則違反等は存しない。

同第五点について。

論旨は本件土地が特定していないと主張する。しかし本件土地六坪は、上告人が

一審以来被上告人に対して明渡を求めている土地である。被上告人はこれに対して、

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上告人主張の土地は、被上告人において代物弁済により所有権を取得したのだと主

張するのであるから、上告人の主張自体から言つて、特定していることを前提とし

ているといわなければならない。のみならず論旨は現在は特定していることを認め

ているのであるから、反証のない以上当初もそうであつたと推認するより外ない。

上告代理人鍛治利一の上告理由第一点について。

論旨は事実認定の非難に帰する。本件消費貸借が昭和二五年一〇月一五日成立し

たことは、当事者間に争のない事実である。論旨は、争のない消費貸借の成立の日

を争い、信用貸と言わんとするに外ならないものであつて、採用できない。

同第二点及び第三点について。

論旨もまた事実認定の非難に帰する。原判決が上告人の不信行為と判断したこと

に対して原審の認定しない事実に基きこれを非難するに過ぎないから採用できない。

同第四点について。

仮に本件丙の土地については、賃貸借ではなく、所論のように使用貸借が成立し

たものとしても、右契約は、その後の代物弁済によつて消滅したのであるから、判

決の結果に影響を及ぼさないこと明らかである。論旨は採用に値しない。

同第五点及び第六点について。

論旨はいずれも事実認定の非難に過ぎないから採用できない。(上告代理人田辺

恒之他三名の上告理由第一乃至第三点についての前記説明参照)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとお

り判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 垂 水 克 己

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