大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)991 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人堀博一の上告理由第一点について。

所論は、原審の昭和三〇年四月一四日附口頭弁論調書には、少くとも同年八月二

六日までは、裁判長判事の署名捺印がなかつたのであるから、同調書は民訴一四三

条に違反し、論旨引用の判例の示すとおり無効であつて、これによつては原判決が

適式な口頭弁論に基いてなされたことが認められないから、原判決は破棄を免かれ

ないというのである。しかし記録によれば、所論口頭弁論期日の調書には、裁判長

判事としてDの署名捺印があることが明らかである。そして所論のように、昭和三

〇年八月二六日まで右署名捺印のなかつたことは、記録上これを認めることができ

ない。それ故右調書は、所論のように方式を欠くものではないから、論旨は理由が

ない。

同第二点について。

原判決は、その理由中で第一審判決理由を引用していること、記録上明らかであ

り、引用された第一審判決理由によれば、上告人の所論主張に対する判断がなされ

ていることが認められる。されば、原判決には所論の違法はないので、論旨は理由

がない。

同第三点について。

所論の口頭弁論調書における記載部分が、不動文字で印刷されていることは、記

録上明らかである。しかし、口頭弁論期日において実際に行われた弁論に即して、

これに合致する不動文字の記載のある用紙を使用して口頭弁論調書を作成すること

は、少しも訴訟当事者の権利を害するものではないから、これがため原審の手続上

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所論の違法があるものとすることはできない。なお、所論の違憲及び判例違反の主

張は、いずれも右の違法を前提とするものであるから採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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