大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)2869 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人多賀寛一の上告趣意一は量刑不当の主張であり、同二は単なる法令違反の

主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(論旨は、一審判決事実第四判

示の被告人が輸送委託した粳玄米二一六〇瓩中には、被告人の父Aの所有に属する

米十俵が混入しているから、これを没収したのは刑法一九条に違反するというので

あるが右事実は原審において主張されずその判断を経ていないし、また一審判決の

認定しない事実を前提とするものである)。

同三も単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(

論旨は、一審判決判示第八事実につき被告人が輸送委託した目的は自家保有米を密

閉器のある自己店舗において殺虫し損害を防止せんとするにあつたから違法性を欠

き、更に昭和二八年六月一二日岡山県告示第四七八号にいう、とう精その他加工の

ため米穀類を輸送できる場合にあたり適法な行為であるとする。しかし、本件輸送

の目的が殺虫保存にあることは一審判決の認定しないところであるのみならず、本

件事案においては所論の事由が法定の除外事由その他違法性を欠くものとして許さ

れる場合にあたらない旨の原判示はこれを是認するに足り、論旨のいう昭和二八年

六月一二日岡山県告示第四七八号は「三、とう精その他加工のため米穀類を輸送で

きる者は、自己の所有する米穀類を最寄(同一市町村又は隣接市町村)加工所まで

輸送する者及び加工所から自己まで輸送する者とする。」と規定するのであるが、

本件の場合が「とう精その他加工のため」の輸送であるとも認められないところで

あるから、所論告示を援用する論旨も当らない)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

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り決定する。

昭和三五年三月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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