大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)41 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人富岡秀夫の上告趣意第一点について。

論旨は、原判決が、候補者乃至出納責任者でなく、また選挙運動者として運動に

従事したものでもない被告人に対し、その身分を無視して選挙権被選挙権を停止し

たのは、公職選挙法二五二条に違背するのみならず、合理的根拠を欠くが故に憲法

一四条に違反すると主張する。しかし公職選挙法二五二条は、その挙示する罪を犯

した者に対しては所定の期間選挙権被選挙権を停止することを原則として掲げ(一

項及び二項)、ただ裁判所は、情状に因り、選挙権被選挙権を停止せず、又はその

停止の期間を短縮する旨の宣告をすることができると規定しているのみである(三

項)。従つていやしくも同条挙示の罪に該るものについては均しく同条の適用があ

るのであつて、所論のように候補者、総括主宰者、出納責任者、運動者またはそう

でない一般選挙人との間に区別を設けられてはいない。このことは選挙の公正を確

保するために、選挙の公正を害した選挙犯罪者を選挙から排除し、且つ本人の反省

を促そうとする法意に顧みて当然のことである。(昭和二九年(あ)第四三九号、

同三〇年二月九日大法廷判決参照)。原判決は、その判示するとおり、右の法条に

則り、本件犯罪の情状を考量した上で、十分肯認できる合理的根拠に基き、被告人

の選挙権被選挙権の不停止を宣告しなかつたのであるから、所論のような違法はな

い。また合理的根拠を欠くということを前提とする違憲の主張はその前提を欠き採

用できない。

同第二点について。

論旨は結局量刑不当の主張に帰し、適法な上告理由とならない。(本件は検事の

控訴した事件であるから控訴審判決が第一審判決よりも被告人にとつて不利益であ

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つたとしても不利益変更禁止の原則に反することはない。)

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三一年四月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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