大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)735 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同西田公一の上告趣意第一点の(一)は単なる訴訟法違反の主

張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。〔記録を調べてみると、所論の第

一審公判期日において刑訴二九一条所定の冒頭手続があつた直後、証拠調に入るに

先立ち、検察官は、裁判長に告げて被告人Aに対し、論旨第一点(一)(5)に摘

示のとおり三個の質問を発しなお右両弁護人の控訴趣意第三(一)に摘示のとおり

aでの宴会の会費徴収時期について一個の質問を発し、同被告人よりそれぞれ応答

したこと、しかし、同被告人の冒頭陳述というのは、起訴事実について選挙運動の

報酬の趣旨ではないが金員を渡した事実を認め、また、aで宴会をしたがこれは選

挙に関係もなく御馳走したのでもない旨述べたものであることが認められる。

そして、右質問については被告人側から異議が出たことは記録上認めることがで

きない。右によれば、右の質問はいずれも検察官が同被告人の冒頭陳述で認めた趣

旨に副つて陳述事実の間違いでないかどうかを確かめ或はこれに附随して多少の釈

明補足を求めるものに過ぎないと解せられるもので、これについて被告人側から異

議も出なかつたものであつて、違法のものというに足りない。〕

同点の(二)は単なる法令違反の主張、同第二点は事実誤認の主張、同第三点は

量刑不当の主張に過ぎず、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人井上英男の上告趣意第一、二点とも違憲をいうけれども、その実質は第一

点は量刑不当の主張、第二点は事実誤認の主張をいでず、いずれも同四〇五条の上

告理由に当らない。〔公職選挙法二五二条は憲法一五条三項に違反しないこと(昭

和二九年(あ)第三〇四五号、同三〇年五月一三日第二小法廷判決、昭和二九年(

あ)第四三九号同三〇年二月九日大法廷判決参照)並びに憲法三七条の「公平な裁

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判所」というのは構成其他において偏頗の惧なき裁判所の裁判という意味であるこ

と(昭和二二年(れ)第一七一号、同二三年五月五日大法廷判決参照)は当裁判所

の判例とするところである。〕

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年一〇月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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