最高裁判所第三小法廷 昭和31(さ)2 判決
主 文
本件函館地方裁判所の判決を破棄する。
被告人を罰金二千五百円に処する。
右罰金を完納することができない場合には、金二百円を一日に換算した
期間被告人を労役場に留置する。
理 由
検事総長佐藤藤佐の本件非常上告申立の理由は、末尾添付の別紙書面記載のとお
りである。
よつて記録を調査するに、函館地方裁判所は、昭和二九年一二月六日被告人A(
判決書にBとあるのはAの誤記と認められる)に対する建造物侵入被告事件につき、
同被告人が昭和二九年五月二四日函館市所在函館公共職業安定所内事務室に不法に
侵入した犯罪事実を認定し、これに対し刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条、三
条を適用し、所定刑中罰金刑を選択し、被告人を罰金五千円に処する旨の判決を言
い渡し、右判決は所論のとおりの経緯により昭和三一年三月七日確定したものであ
ることが認められる。されば右判決が右犯罪事実につき刑法一三〇条、罰金等臨時
措置法二条、三条を適用し、所定刑中罰金刑を選択しながら、罰金五千円の言渡を
したことは、同罪につき科し得べき罰金刑の多額を超えて罰金刑を言渡した違法が
あるものであり、本件非常上告は理由がある。しかも右判決は被告人のため不利益
であること勿論であるから、刑訴四五八条一号但書により、右判決を破棄し、被告
事件につき更に判決すべきものである。
右判決の認定した犯罪事実につき刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条、三条を
適用し、所定刑中罰金刑を選択し、その所定額の範囲内において被告人を罰金二千
五百円に処すべきものとし、なおその換刑処分につき刑法一八条により主文第三項
のとおり定める。
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よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
本件の公判には検察官安平政吉が出席した。
昭和三一年七月一七日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
裁判官 垂 水 克 己
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