最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)1106 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人中村伝七D名義の上告理由について。
論旨の一部は、被上告人Bが、本件宅地をその管理権限を有して居た訴外Eより
賃借した旨の原審事実認定に、訴訟法則、経験則の違背があるのみならず、右Eに
管理権限があつたとしても、処分権限がなかつたのであつて、民法六〇二条により、
本件宅地を五年以上の期間賃貸し得なかつたのであるから、原判示買収時まで本件
宅地の右賃貸借が存続したか否か不明であり、その点につき原判決の説明十分でな
く、結局、原審に審理不尽、理由齪齬の違法あるを免れない旨、主張する。
しかし、原審は、適法の証拠により、訴外Eが、本件宅地の管理人として、これ
を五年以上の期間賃貸借する権限を与えられて居り、その権限にもとずき本件宅地
を被上告人に対し賃貸し、その賃貸借は、本件宅地の所論買収時たりし昭和二三年
七月二日存続中であつた事実を認定して居るのであり、この事実認定は、首肯し得
られないものではない。
原審に、所論の如く、訴訟法則、実験則審理不尽、理由齟齬、その他法令の違背
のあることを認められない。 論旨は、結局原審の事実認定を非難するに帰するの
であつて、採用し得ない。
その余の論旨は、憲法違反を主張するけれどもその事由とする所は、全く原審に
おいて主張判断がないのであるから、上告適法の理由とならない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
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裁判長裁判官 石 坂 修 一
裁判官 島 保
裁判官 垂 水 克 己
裁判官 高 橋 潔
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