大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)319 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人平林真一の上告理由第一点について。

原判決事実摘示及びその引用する第一審判決事実摘示によれば、被上告人の本件

土地占有が権原に基かないとの点を除きその他の上告人の主張事実はすべて当事者

間に争がないのであるから、昭和二六年三月二三日本件土地につき所有権移転登記

がなされたという争ない事実により、原判決は、外国人たる上告人が日本人たる訴

外Dから前記登記の日時頃本件土地を買受けた事実を確定したものと認めることが

できる。ところで、昭和二四年三月一五日政令第五一号及び昭和二七年法律第八八

号「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係諸命

令の措置に関する法律」によれば、昭和二四年三月一五日から昭和二七年四月二七

日までは、外国人が外資委員会の認可なくして「自己の居住の用に供するため通常

必要と認められる」以外の土地を日本人から取得した場合、右取得は効力を生じな

いのであり(同政令三条一項一号、四条)、昭和二七年法律第八八号には、同法律

をもつて新設された政令二三条の二の規定の遡及については、なんら規定するとこ

ろがないのであるから、上告人が前記日時に本件土地を取得したことには右新設規

定の適用はなく、従つて原審が上告人の本件土地所有権の取得はその効力を生じな

いものと判断したことは正当と認められるので論旨は理由がない。

同第二点について。

上告人が本件土地を買受けた当時においては、本件政令三条一項一号、四条は、

すべての外国人にその適用があつたのであるから、原判決が上告人の外国人たるこ

とを確定している以上、右規定の適用があることは明らかであるから、上告人がい

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かなる外国の国籍を有したかの点までをも判示しなかつたからといつて、原判決に

は所論のように理由不備の違法があるものということはできない。また、原判決は

上告人の本件土地取得に右規定の適用があるものと判断してこれを判示している以

上、その判断の径路までをも判示することは必ずしも要しないのであるから、この

点についても原判決には所論のような違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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