大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)509 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人三宅次郎の上告理由第一点及び第三点について。

所論は違憲をいうが、その実質は、要するに、原判決において、被上告人側は判

示甲第一号証の通告書を作成するに当り、被上告人の有する判示実用新案権の登録

番号を過つて記載したが、右誤記と上告会社がその風呂釜の製作、販売を中止、休

業したこととの間には因果関係がないとした判断は法令に違反するというに帰する。

しかし、原判決は、上告会社の製作、財売しようとしていた風呂釜は被上告人の

有する実在の渡辺式登録第三五九七〇九号の実用新案権を侵害することを認定して

いるのであり、右事実と乙第一号証その他原判決挙示の証拠とを対照考察すれば、

上告会社が右中止、休業をしたのは被上告人の判示通告(甲第一号証)に基くこと

は明らかであるが、この通告が上告会社をして右中止、休業をさせる原動力(影響

力)となつたのは、結局、右通告において上告会社が被上告人の実在する渡辺式登

録実用新案権を侵害しているといつた点であつて、上告人の権利の登録番号が果し

て何番であつたかの点は余り影響力はなく従つて、右通告における登録番号の誤記

は被上告人の右中止、休業に相当因果関係があつたものということができない。こ

の点に関する原判示は相当であつて、論旨は理由がない。

同第二点について。

原判決認定の事実関係の下では、被上告人の行為は未だ不法行為を構成するもの

ということができないから、原審が損害額について審理しなかつたのは当然という

べく、論旨は採用できない。

上告人の追加上告理由第四点、第五点について。

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論旨は憲法一一条ないし一三条等を挙げて違憲をいうが、その実質は(一)原審

は、所論甲号各証、検証結果、D、Eの各証言、乙六号証の一等を勘酌しなかつた

ことの違法をいい、また(二)原審が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を争

うものであるところ、(一)の諸証拠については原判決の事実摘示に記載されてお

り判文上原審がこれらを斟酌しなかつたものということができない。また(二)の

論旨が上告適法の理由とならないこというまでもない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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