大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)655 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

記録によれば、原審は第一回口頭弁論期日を昭和三元年四月五日午前一〇時に指

定したが、上告人(控訴人)からその肥料販売業に支障を来す時期なることを理由

に変更申請をなし、右期日に出頭した被上告人(被控訴人)が変更申請に同意の旨

陳述したので、同日の弁論を延期し、次回期日を同年五月一〇日午前一〇時と指定

告知し、四月六日書留郵便に付し上告人にその呼出状の送達がなされた。しかるに

上告人はさらに所論の変更申請(五月八日受付)をしたが、原審は明示の決定なき

まま右期日を開始し、被上告人に弁論をなさしめ、終結して同月一七日午前一〇時

を判決言渡期日に指定告知し、当日判決を言い渡したことが認められる。

論旨は先ず右期日変更の申請に対する決定及びその告知がなされなかつたことを

非難するが、前記訴訟の経過に徴すれば、所論の申請あるにかかわらず期日を開始

進行したことにより申請却下の決定とその告知があり、適式の呼出を受けながら当

日出頭しなかつた上告人に告知の効力を生じたものと解するを相当とする。

論旨は次に、原審が期日の変更申請を許さず、上告人に弁論をなさしめずして審

理判決したことを非難する。しかし続行期日の変更申請の許否は裁判所の職権に委

されているのみならず、所論診断書には上告人の病状の起点、代理人選任の余裕の

有無等を明らかならしめる記載がなく、所論の期日の不出頭が上告人の責に帰すべ

からざる事由に基くものとは認めるに足りないから、上告人の申請を容れず、上告

人不出頭のまま審理をなし判決したことを以て所論のような違法あるものというこ

とはできない。論旨は理由がない。

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同第二点について。

一旦閉じた弁論を再開すると否とは専ら裁判所の職権に属することであるから、

裁判所は当事者のなした再開の申請につき一々許否の決定をしなければならないも

のではない。また再開申請を採用しなかつたために上告人の新規の証拠、抗弁等が

提出できなかつたとしても、これ等の提出を不当に制限したことにはならない。論

旨は理由がない。

同第三点について。

論旨は、証拠調の限度、証拠の取捨、事実認定に関する原審の裁量を論難するも

のであつて、適法な上告理由とならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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