大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)773 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人横田武同高梨好雄の上告理由第一、二点について。

原判決は、その挙示する証拠によつて、昭和二〇年四月一九日売買契約と同時に

被上告人が金五万円を返還したときは本件不動産を買戻しうる特約が成立した事実

を認定したものであつて、右認定に所論の違法は認められない。そして、民法五七

九条と異なる内容の買戻契約であつても同条以下の買戻の規定が当然には適用され

ないだけであつて、契約としてその有効を妨げるものではない。所論は、原判決の

認定と異なる事実を前提として買戻契約の無効を主張するものであつて理由がなく、

論旨の帰するところは、原審が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難する

にほかならないので、採るをえない。

同第三点について。

所論は、本件は事情変更の原則の適用を受けるべき場合であるのにその適用を否

定した原判決は違法であるというに帰する。しかし、原判決の認定した事実によれ

ば、本件の場合はいまだ事情変更の原則の適用を要するほど事情の変更があつたも

のとは認められないので、被上告人の買戻をもつて信義に反するものと断定するこ

とはできない。されば原判決が本件の場合に控訴人(上告人)の事情変更による契

約の変更ないし解除の主張は採用し難いものと判断したことは正当であつて、原判

決には所論の違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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