大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)791 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人黒田寿男、同小島成一、同平井直行の上告理由は後記のとおりである。

右上告理由第一について。

原判示を精読すれば、原審は、上告人と被上告人の代理人Dと訴外Eの三者間に

(イ)被上告人の代理人Dをして最高価を以て入札させることの協定が成立したこ

とは認め得るが(ロ)右入札の結果被上告人が本件立木を買受けた場合には前記三

者の内部関係においてこれを共有とする旨の約定は、被上告人に対する関係では意

思表示の合致がなく遂に成立に至らなかつたと判断しているのであつて、「(ロ)

の約定は意思表示の合致により成立したが内心の意思と一致しないため錯誤による

約定として無効である」と判断したものではないこと並びに原審は訴外Fを被上告

人の代理人と認めたものでないことをそれぞれ了解するに難くない。

所論は、原判示の右趣旨を正解しないで原判決を攻撃し、或は原審の適法にした

事実認定を非難するにすぎないものであつて、とり得ない。

右上告理由第二について。

或事実を認定するにあたり或証人の証言の一部を採用し、他の事実を認定するに

あたつてこれと相容れない右証人の証言の他の一部を排斥したとしても何等違法で

はなく、また右一部を採用し他を採用しない理由を必ずしも判示しなければならぬ

ものでもない。(当裁判所昭和三二年六月一一日言渡判決、判例集一一巻六号民事

一〇三〇頁参照)

それ故、所論のうちこれと相容れない見解に立脚する部分は採用し難く、他は原

審の適法な事実判断を非難するものであるからとり得ない。

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右上告理由第三について。

論旨のとり得ないことは、上告理由第一及び第二について述べたところによつて

明らかである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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