大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)964 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由一について。

原審は、所論の和解条項が、和解当事者である被上告人及び訴外Dの真意にもと

づき「訴外Dが和解で定められた義務の履行を怠つたときは、その事実だけで当然

に契約解除の効果を生ずる」という趣旨で約定されたものであり、かつその後同訴

外人が和解契約所定の義務を履行しなかつたので本件賃貸借契約は被上告人の解除

の意思表示をまたず当然失効した旨を判断をしていること原判文上明らかであつて、

原判決には所論のような違法はない。

同二について。

所論の条件附契約解除の意思表示というのは、原審が、本件和解契約成立に至る

一事情として認定したものにすぎないばかりでなく、原審は、成立に争ない甲第三

号証その他の証拠により、被上告人が昭和三〇年四月一二日訴外Dに対し条件附解

除の意思表示をした事実を認定しているのであつて、その間なんらの違法もない。

論旨引用の大審院判決は事案を異にし本件に適切でない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!