大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)968 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鍜治利一、同安原正之、同佐伯源の上告理由について。

論旨第一点、第三点は判断遺脱、理由不備の違法を主張するが、記録によると、

上告人が昭和二七年七月二六日の所論第二遺言失効の原因として、右遺言者Dがそ

の後同月二八日に自ら所論協議離縁届出行為を為し、それが右第二遺言を全面的に

取消す意思を以て為されたもので之と牴触するものであることを主張して居た事迹

が顕われて居ないのみならず、原審は、Dが右遺言当時自ら為すべき協議離縁届書

の捺印等を事実上了し、その届書の捺印、提出行為を遅延して居る上告人等が翻意

して速かにこれを処理すべきことを期待して居たが、判示の事情から上告人等の右

捺印、提出その他に拘りなく、判示の如く決意して遂に第二遺言を為すに至つたも

のであること等を認定して、右第二遺言当時に於けるDの意思がその後の協議離縁

届出に関係なく、右意思を右届出により全面的に変更したものではない(尤も、右

届出の結果、上告人等がDの法定の推定遺産相続人たることの排除を求める手続を

採る必要はないに至るであろう)との趣意を明らかにして居ることが、原判決の行

文上容易に看取されるから、所論の点につき原判決に所論違法はない。論旨は理由

がない。(論旨引用の大審院判例は本件に適切でない。)

その余の論旨は結局、Dが原判示の遺言を為すに至つた動機その他の点に関する

原審の事実認定及びその証拠の取捨判断を非難し、原審の否定した事実、原判示に

副わない事実に基いて原審の法令違背を云うに帰着し、採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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