大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(あ)1903 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島田正純の上告趣意は、単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、刑訴

四〇五条の上告理由に当らない(なお、原判決が被告人に対する第一審判決の確定

した事実、すなわち同判決の判文及び犯罪表記載の三四回にわたる業務上横領の各

判示事実に対する法令の適用として刑法四五条前段、四七条、一〇条を示している

だけで、いずれが最も重い罪であるかを示していないことは、所論のとおりである。

しかし、原判決が刑法四七条、一〇条の適用を示していることは、右各事実に対す

る罰条の法定刑が全く同一であるところから、その犯情によつて軽重を定め、その

最も重い罪の刑に法定の加重をしたことを示した趣旨であると認められるばかりで

なく、犯罪表を含めた第一審判決の事実摘示自体によつても、犯罪表22の事実が

犯罪の態様に徴し犯情最も重い罪であると認められるから、原判決はこの罪の刑に

法定の加重をしたものということができる。それゆえ、原判決には所論のような違

法は存しない。)

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一

致の意見で主文のとおり決定する。

昭和三二年一一月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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