最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)1141 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人等の負担とする。
理 由
上告人等の上告理由第一点について。
記録に徴すれば、Dは、原審のみにおいても、(1)昭和三一年九月一七日付、
(2)同年一一月二一日付、(3)同三二年一月三一日付、(4)同年三月五日付、
(5)同年六月一二日付で、それぞれ医師の診断書添付の上、高血圧症を理由とす
る期日延期願を原審に提出し、原審は、(1)乃至(4)の期日延期願によつて期
日をそれぞれ昭和三一年九月一九日、同年一一月二八日、同三二年二月一日、同年
三月一三日に変更し、同年三月二〇日に至り同人は上告組合の代表理事をも兼任し、
同年四月二四日の口頭弁論には同人も出頭したこと及び原審は(5)の申請を許さ
ないで同年六月一九日の期日を開いて口頭弁論を終結したものであることを認め得
られる。
かくの如く、代表者が回を重ね病気のため期日に出頭し得ない場合には、代表者
たる者は訴訟代理人を選任すること等により攻撃防禦の方法を尽すべきであつて、
裁判所が、代表者において出頭に支障ある毎に期日を変更し、訴訟を遅延せしむべ
きものではない。
このことは、当裁判所の判例の趣旨とするところである。(昭和二四年(オ)第
二五一号昭和二七年五月六日第三小法廷判決、集六巻五号四九〇頁参照)したがつ
て、原審が所論期日の変更を許さないで弁論を終結したことを以つて、原判決に違
法があるとするのは当らない。
論旨は採用の限りでない。
同第二点について。
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原審が原判決挙示の証拠により、所論倉荷証券は原判示砂糖代金債務の担保とし
て被上告会社に裏書交付せられたものである旨の事実を認定したのは、相当である
と是認し得られる。而して商法六〇三条によれば、倉荷証券は裏書により譲渡し得
ることは所論の通りであるけれども、倉荷証券に裏書の記載ある場合には、当然に
譲渡行為のあつたことのみ認むるを要するものではない。したがつて、所論黒平豆
の倉荷証券に譲渡の記載があつたからとて、担保ではなくして、譲渡の事実を認定
することを要するものではない。
結局、論旨は、原審の証拠判断、事実認定を非難するに外ならないから、採用し
得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 石 坂 修 一
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 垂 水 克 己
裁判官 高 橋 潔
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