大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)1191 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大崎孝止の上告理由について。

原判示事実によると、D弁護士は、Eの提起した別件訴訟の被告Fら代理人とし

て応訴中、原告Eの前者たる上告人から事情を聴いた結果、上告人とE間の売買の

無効ないし取消を通知する書面(甲五号証の一、二)を上告人にかわり作成しEに

送付したにとどまり、右書面は本件係争の売買には触れていないし、同弁護士が上

告人から本件の売買につき相談を受けて意見を述べた事実は原審の認めないところ

である。そして、右事実関係にてらしてみると、所論(イ)ないし(ハ)のような

事実があつたとしても、D弁護士がFらの代理人として上告人とE間の売買による

所有権取得を否認したことが本件の売買に触れたことにはならず、また右の売買に

つき意見を述べたことにもならないことは明らかである。また前記別訴事件におけ

るFらの相手方がEであり、被上告人が実質的にも右事件の相手方であると認めら

れないことも原判示により明らかである。

したがつて、所論弁護士法二五条一項二号および三号違反の主張を採用しなかつ

た原審の判断は正当であり、論旨は独自の見解に基くものであつてすべて採用しが

たい。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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