大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)592 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人亀井正男の上告理由第一点について。

論旨は、原判決には証拠法則を誤つたかまたは理由不備の違法があると主張する。

しかし、本人訊問における供述の証拠力には、法律上なにらの制限はないのである

から、その本人に利益である供述であると、はたまた、不利益な供述であるとを問

わず、それが採否は事実審裁判官の裁量に委ねられていると解すべきである。故に、

被上告人本人訊問の供述だけで事実を認定したのは違法であるとの所論主張は理由

がない。その他の主張は、原判決の適法になした事実の認定、事実審の裁量に委ね

られた証拠の取捨判断に対する非難であつて、採用できない。論旨はすべて理由が

ない。

同第二点について。

県知事の許可を効力発生の条件として締結された農地の売買契約の有効であるこ

とは当裁判所の判例である(昭和三〇年(オ)第九九五号、同三三年六月五日第一

小法廷判決、民集一二巻九号一三五九頁参照)から、これに反する所論主張は採用

できない。また、かかる売買契約を締結した売主は、契約の目的を達するために必

要な県知事の許可申請に協力する義務を負担するものと認めるのが相当であるから、

所論原判決が上告人に県知事の許可申請手続をなすべきことを命じたのは違法であ

るとの主張も理由がない。論旨はすべて理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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