大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)879 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人児島平の上告理由第一点について。

しかし上告人が本件土地の近隣の土地についてDの承認を得てその旨届出をなし

た旨の所論の原判示は原審挙示の証拠により首肯できないわけではない。所論は原

判決理由にそごがあるというけれども、その実質は原判決を正解せず、独自の見解

に基ずいて原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断及び事実認定を攻撃するに帰し、

採るを得ない。

同第二点について。

所論は原判決を正解せず原審の否定した事実(乙七号証につきDの承認があつた

事実は原審の認めるところではなく、却つてこれを認めるに足る証拠はないと判示

している)を前提として原判決に所論の違法ありと主張するにすぎず、上告の理由

となし得ない。

同第三点について。

しかし原審の認定によれば、上告人は本件土地を占有するにつき何等正権原を有

するものではないというのであるから、上告人は被上告人の登記の欠缺を主張する

について正当な利益を有する第三者とはいい得ない。従つて被上告人は登記なくし

ても自己が前主である坂本より本件土地の所有権を譲り受けた事実を対抗できる筋

合であるから、原審が右譲受の事実を被上告人の主張に基き認定判示している以上

判決理由に欠けるところはなく、所論指摘の原判示はいわば無用の説示というを妨

げない。

してみれば右の原判示に違法ありとの所論は、原判決の結論に影響を及ぼさない

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こと明らかな法令違背の主張にとゞまり、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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