大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)989 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小川秀一の上告理由について。

原審の確定した事実関係によれば、被上告人両名の各所有地と公道(判示産業道

路)との間に本件係争土地があり、係争土地のうち被上告人両名の各所有地に界を

接する元公道の部分(廃道敷および廃溝)は大正九年道路廃止により道路法の適用

ある道路でなくなつてからも従来の所有者および現所有者上告人は一般公衆が通行

に利用するのにまかせて来たのに、上告人は昭和二七年二月本件係争地の南半部分

に有きよく鉄線を張り売地の立札を立て一般の通行の用に供しない意思を表明した

結果、被上告人両名の本件各所有地は本件係争地を通行しなければ右公道に通じな

い袋地になつて終つた、被上告人両名の本件各所有地は元一筆の土地を五筆に分け

てその一づつを譲受けたものであるが、その譲受日時はそれぞれ昭和二三年一月一

六日と昭和二六年一二日一〇日すなわち右上告人の昭和二七年二月の意思表明前で

あつたから、右両所有地が袋地になつたのは右譲受によるものではない、というの

であるから、被上告人両名所有の各土地は本件係争地の判示部分等に囲繞せられて

判示産業道路に通じないものであり、被上告人両名は産業道路に至るため民法二一

〇条一項により係争地の右部分を通行する権利があるものといわなければならない。

してみれば、論旨は審理不尽、法律適用の誤を主張するが、論旨のうち右と異る法

律見解に立つ部分は採用できない。論旨は、被上告人らは右両土地を分筆譲受ける

際本件係争土地中の元公道部分が公路なりや否やを調査する義務があるというが、

原判決の確定した事実関係の下ではかような義務があるということはできない。そ

の余の論旨は原判決の認定に副わない事実をその実質もしくは前提とするものであ

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り、原判決には所論の違法なく、所論はすべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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