大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)155 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人和光米房の上告趣意第一点、被告人の上告趣意第一点、第二点はいずれも

単なる事実誤認及び法令違反の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。〔原判

決が確定した事実によれば、判示の日時場所で判示AがBの所持する柳刃庖丁を取

り上げ隠匿した後、同人を喧嘩現場でない宿泊先C旅館に連れ戻そうとしてその方

向に歩いていた際、被告人は右両名を認めBを殴打しようと考えその場に放置され

ていた楢薪を両手に握りその左背後から同人に近ずき(同人の不意をついて)その

後肩部を強打し更にその後頭部を強打し同人が路上に転倒するや被告人はBの背部

などを数回強打し同人に判示傷害を与え死亡させるに至つた、というのであつて、

被害者Bが被告人若くは他人に対し急迫不正の侵害を加えようとした事実や被告人

がBに判示強打を加えたのは自己又は他人の権利を防衛する意図からであつた事実

は何等原判決の認定しないところであり、またこの判断は正当と認められるから、

被告人の原判示所為が刑法三六条の正当防衛行為に当らないこと多言を要しない。

また、原判示の事実によれば、被告人の判示所為は誤想防衛に当る余地がない。所

論は原判決の認定と異る事実を主張し、これを前提として法令違反をいうに帰し、

採るに足りない。

同弁護人の上告趣意第二点は量刑不当の主張に過ぎず刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号一八一条一項但書により裁判官全員一致の

意見で主文のとおり決定する。

昭和三三年五月六日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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