大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)2038 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人島秀一の上告趣意第一点は、判例違反をいうけれども、刑訴三〇五条にい

う証拠書類は必ずしも当該事件について作成されたものに限らないことは、すでに

当裁判所の判例の趣旨とするところである(昭和二五年(あ)第二九六二号同二七

年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三六頁、同二九年(あ)第一四〇一号

同年一一月一一日第一小法廷決定、刑集八巻一一号一八三四頁)。従つて論旨引用

の各高等裁判所の判例は、右の限度において変更されたものと解すべきであるから、

所論は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点は、判例違反をいうけれども、所論の鑑定書にはこれを作成した鑑定人

の署名押印があり、原判決もこれを「写」とは認めていないのであるから、所論は

原判示にそわない事実を前提とする主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。

同第三点は、違憲をいうけれどもその実質は単なる法令違反、事実誤認の主張に

過ぎず、同第四点は、量刑不当の主張であつて何れも刑訴四〇五条の上告理由に当

らない。

弁護人坂上寿夫の上告趣意第一点は、判例違反をいうけれども、論旨引用の判例

は事案を異にし本件に適切でないから、所論は前提を欠き刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。(なお、所論の他の民事事件における鑑定人の作成した鑑定書も刑訴

三二一条四項にいう鑑定の経過及び結果を記載した書面に含まれるとした原判決の

解釈は正当である。)

同第二点は、原審で主張、判断を経なかつた第一審手続の単なる法令違反の主張

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であり、同第三点は、事実誤認の主張であつて何れも刑訴四〇五条の上告理由に当

らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三七年四月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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