大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)28 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同坂上寿夫の上告趣意第一点について。

所論は裁判所法四条違反の主張をいでず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(

記録によると、本件第一回上告審差戻判決前の昭和二七年一一月二五日言渡第二審

判決は「昭和二六年七月六日から一二日午前までの間被告人に対し警察における糧

食差入禁止の行われたことは記録上これを窺うに難くない」旨判示しているのに対

し、右差戻判決には大体論旨冒頭引用のような説示があるけれども、判示の文面に

従つてこれを解釈すれば、右説示のうち「本件において原判決は前示のとおり警察

における糧食差入禁止の行われた事実を認め、しかもこの糧食差入禁止の期間と自

白の時日との関係上、外形的には糧食差入禁止と自白との間に因果の関係を推測さ

せ、少なくともその疑ある事案である。」との記載の趣旨は「本件において原判決

は前示のとおり警察における糧食差入禁止の行われた事実を認めた。本件は、原判

決の認めたところに従えば、差入禁止のあつたとせられる期間と白白のあつたとせ

られる時日との関係上、外形的には一応この糧食差入禁止と自白との間に因果関係

のあることを推測させ、少くともその合理的な疑をいだかせる事案である。」とい

うにあるものと解せられ、所論のように警察において糧食差入禁止の行われた事実

を右上告審自から認定し、もしくは、控訴審の前記程度の糧食差入禁止の事実認定

を是認した趣旨とは解せられない。また、右差戻判決の他の部分において糧食差入

禁止の事実を認定もしくは是認した個所は判文上認められない。所論は結局右差戻

判決の趣旨を正解せざるにいでたものでその法令違反の主張は前提を欠く。)

同第二点は単なる証拠の取捨判断、事実誤認の主張であり、同第三点は訴訟法違

反、事実誤認の主張をいでず、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

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弁護人池田和夫の上告趣意第一点、第二点は、いずれも証拠の取捨判断、事実誤

認、訴訟法違反及び任意性のない供述を証拠に採用したことの非難であつて、記録

によると、所論供述の任意性については第一審公判において取調がありその証拠に

よつてこれを肯認できるから、論旨はすべて採用することができない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三三年八月八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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