大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)1120 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人村田光雄の上告理由(一)について。

所論前段は、訴外Dの死亡年月日は昭和三一年一〇月一一日であるのに、原審が

昭和三〇年一〇月としたことを根拠とし、理由齟齬の違法を主張する。

記録中の甲四号証(同訴外人の戸籍抄本)写によれば、その死亡年月日は昭和三

一年一〇月一一日となつており、また、「同訴外人死亡の前日にも被上告人等から

本件貸金等の厳重な督促を受けた」との原判決認定事実の証拠として、原判決の挙

示する証人Eの証言被上告人の原審における本人尋問の結果によれば、右死亡の前

日は昭和三〇年ではなく、昭和三一年の一〇月一〇日であることがわかり、一方同

訴外人の死亡年月日が原判決記載の通りであることを認めうべき証拠は全く無いか

ら、たとえ原判決の右死亡年月の記載は、明白な誤記として更正決定(民訴一九四

条)で、訂正されるべきだとしても、上告の理由とすることはできないものであり、

右死亡年月日の誤りは、本件債務が主債務者である同人によつて完済された事実は

認められないとする原判決の判断に影響を及ぼすものではないから所論は採用する

ことができない。

論旨後段は、乙四号証に関する判断につき理由齟齬があるというが、原判決は、

乙四号証の措信できない理由を念のため詳論したまでのものであつて、所論の如く、

個人の帳簿と認定しているわけではないから、論旨は前提を欠き採用するに足りな

い。

同(二)について。

論旨(一)の理由のないこと前述のとおりであるから、所論も当然採用できない

- 1 -

こと明らかである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!