大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)348 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人武田蔵之助同横田長次郎の上告理由第一点について。

所論は、訴外D所有の建物と上告人建築所有の建物とが別個独立のものであるの

に、原判決は実験則に背いてこれを同一の建物と判断したことは違法であると主張

する。しかし、原判決はその挙示する証拠を綜合して、判示(イ)建物の東側にこ

れと附加一体をなすように玄関、廊下食堂、居室その他原判示の部分を増築したも

のであり、右増築部分は競売建物の屋根の下に包摂され襖一重により区分され、増

築部分を通らずには既存建物への出入ができず、炊事場、便所等も両者を一体とし

て設備され、既存建物とは客観的に不可分的に結合されて一部と化し、別個独立の

建物とは見られない実状にあることを認定した上、上告人主張の登記は実体を伴わ

ない無効のものであると判示しているのであつて、右判断は首肯するに足り実験則

に反するところはないので、所論は理由がない。

同第二点について。

所論は、被上告人主張の建物と上告人主張の建物とが別異の建物であることを前

提とするものであるが、その前提の認められないことは前説明のとおりであるから、

論旨は採るを得ない。

同第三点について。

原判決は、右第一点に説明したように、本件係争物件は競落物件の一部であり、

上告人は本件建物を占有する権原を他に主張立証しないので、これが明渡を求める

本訴は権利の濫用ではない旨判示していること判文上明らかであるから、原判決に

所論の違法はない。

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同第四点について。

論旨はまづ憲法七六条違反をいうけれどもその実質は原審の事実認定を、しかも

抽象的に非難するだけのものにすぎず、論旨はついで、憲法二九条違反をいうが、

上告人の所有権の保存登記が有効なることを前提とするものであつて、右登記の無

効なることは前述の通りであるから右違憲の主張も前提を欠くので所論はいずれも

採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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