最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)495 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人入江正男の上告理由一および二について。
しかし、「上告会社(控訴会社)は営業を廃止しその後引続き二年以上その商号
を使用していないから商法三〇条により商号権は消滅している」との旨の主張を被
上告人が第一審でしたことは、第一審昭和三〇年七月四日の口頭弁論において右の
とおりの主張の記載ある準備書面に基く陳述をした旨の口頭弁論調書の記載、なら
びに原審口頭弁論では当事者双方が第一審口頭弁論の結果を陳述した旨の弁論調書
の記載、および第一、二審における当事者双方の主張、訴訟経過に照らせば、原審
で被上告人が右の趣旨の主張をしたことを認めることができ、原判決が摘示したよ
うな所論の趣旨の主張が原審でなされなかつた特段の事情は記録上認められない。
それゆえ所論一は理由がなく、同二も採用できない。
同三について。
原判決の引用した第一審判決の認定事実によれば、被上告会社が上告会社の身代
りとして設立されたものではなく、また、商号不使用につき正当事由がなかつたと
の旨の認定は首肯することができる。なお原判決は単に商号が使用されていないと
いう客観的事実のみを捉えて商号不使用についての正当事由がないと断じたもので
ないことは判文上明らかである。論旨は採用できない。
同四について。原判決の事実摘示および記録に徴しても上告人が原審で所論のよ
うな主張をした事跡は認められない(所論の昭和三二年一二月四日付準備書面は口
頭弁論で陳述された形跡はない)。所論は採用することができない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
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おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 垂 水 克 己
裁判官 河 村 又 介
裁判官 石 坂 修 一
裁判官 五 鬼 上 堅 磐
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