大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)882 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

上告代理人北川邦男の上告理由について。

論旨中その一は、原判決を正解しない所から出て居る。

原判決は、所論の如き「裁判上の和解である以上、その内容はすべて有効適法で

あり、一切の無効と瑕疵は存し得ない」旨の判断を示して居らない。右論旨は、原

判決が右所論の如き判断を示して居るとの前提に立つて、原判決を攻撃するもので

あつて、前提において既に失当である。

その余の論旨は、結局、本件和解によつて成立した所論明渡猶予の合意は、その

実質において賃貸借的性格を有するものであるとして、これに借家法を適用すべき

ものである旨云為するに帰着する。しかしながら、本件和解において、本件家屋明

渡の猶予期間が、約四年八月と約定せられ、右期間中家賃統制額に相当する金員を

損害金名義を以つて毎月支払うことゝし、その間、法令の改定により家賃統制額が

増減する場合には、右損害金も亦、これに応じで修正せられる旨約定せられたから

とて、本件和解を以つて、その実質は、本件家屋の賃貸借契約であるとなすべき理

由もない。原審が適法に確定した原判示事実に基き、本件和解の成立によつて本件

家屋の賃貸を約定したものでないと判断したことは、これを是認し得る。したがつ

て、原審が借家法を適用しなかつたことに、所論の違法はない。畢竟、論旨は、独

自の見解に立つて、原審の認定判断を非難するに帰着する。

また、論旨引用の判例は、本件に適切でない。

論旨は、すべてこれを採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

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主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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