大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)91 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人窪田稔の上告理由第一点ないし第五点について。

上告人が、原審において本件買収の無効原因として主張する違法事実は(1)本

件買収計画が三重県農地係員Dの虚偽の指示に基いたものであること(2)上告人

の異議を却下した農地委員会の構成が違法であつたこと(3)本件農地の買収によ

つて上告人の保有小作地が法定面積以下になること(4)遡及買収申請者が適格を

欠くことである。しかし、これらの主張事実は、かりに上告人の主張をそのまま認

め得るとしても、本件買収処分の取消理由になるだけであつて、買収を法律上当然

無効ならしめるものとは考えられない。それゆえ、上告人の請求を排斥した原判示

は正当である。

論旨第一点は、るる本件買収に至る経過を述べるのであるが、要するに原審の認

めない事実を主張し、原審の証拠の取捨選択を非難し、その事実認定を攻撃するの

であつて、法令の解釈に関する重要な主張を含むものとは解されない。同第二点は、

本件農地は遡及買収適地ではないというのであるが、遡及買収の要件を誤解したか

らといつて、直ちに本件買収を無効とすることはできない。同第三点は、本件農地

の買収計画に対する異議決定の違法を主張するのであるが、この点は原判決も説明

するように、昭和二四年五月二五日の農地委員会の構成は違法であるとしても五月

一四日の委員会で却下を決定している以上、右の誤りは結果に影響はないのである

から所論は採るを得ない。同第四点所論の事実は原審で争われなかつた事実であり、

同第五点は、第二点と同じ趣旨に帰し、論旨は結局原審の事実認定を非難している

に過ぎない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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