大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)93 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人阿久津英三、同田中親義の上告理由第一点及び第二点について。

しかし、原審認定の事実によれば、上告会社の問屋筋(被上告人らを含む)に対

する債務の解決方を協議するため、債権者集会が開かれた席上、訴外Dは、年長者

であるところから、出席債権者らと上告会社係員との間の話合について、双方の間

に立ち、何とか解決点を見出さしめようと斡旋の労を執つたに止まる(但し、被上

告人B履物商事株式会社の関係を除く)というのであるから、債権者らが、訴外D

の右の行為を、所論のように許容黙認していたとしても、債権者らが、各自の債権

処理に関する代理権を訴外Dに与えた旨を表示したものといえないこと勿論であり、

また右原審認定の訴外Dの行為から、直ちに債権者らが訴外Dに何等かの代理権を

授与していると速断できるものでもない。所論は結局、独自の見解に立ち、または、

原審の事実認定を争い、これを前提として、原判決を非難するに帰し、採用できな

い。(訴外Dの行為は全く事実上の行為と見られるから、所論のように民法一〇九

条、一一〇条を問題とする余地はない。なお、引用の大審院判決は、いずれも本件

には適切でない。)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

- 1 -

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!