大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(あ)1778 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人相良有朋の上告趣意一は、原判決は法令の解釈を誤り判例に違反する違法

があると主張する。しかし右主張は原審において控訴趣意として主張、判断されて

いない事項であるから上告適法の理由に当らない。(第一審判決挙示の証拠による

と、被告人は本件犯行の直前にも数回にわたり自動三輪車の運転を反覆継続して行

つていた事実を認めることができるから、第一審判決が被告人に対し業務上過失致

死罪の成立を認めたのは正当であり、所論当裁判所の判例に反するものではない。)

同二は、原判決は憲法三八条三項に違反すると主張する。しかし右主張は原審にお

いて控訴趣意として主張、判断のない事項であるから上告適法の理由に当らない。

のみならず、被告人の自白と補強証拠と相待つて全体として犯罪構成要件たる事実

を認定しえられる場合には、必ずしも被告人の自白の各部分について一々補強証拠

を要するものではないことは、すでに当裁判所の判例とするところであり(昭和二

三年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判決、刑集三巻六号七三四頁)、第一

審判決は、被告人の自白のほか、いくたの補強証拠を掲げて被告人に対する業務上

過失致死の事実を認定しているのであるから、所論違憲の主張はその前提を欠き採

用できない。同三は、違憲をいうが、その実質は量刑不当の主張に過ぎない。故に

論旨はいずれも上告適法の理由にならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三五年一月一九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

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裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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