大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和34(あ)1813 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

被告人を懲役八月及び罰金二〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二〇〇円を一日に換算した

期間被告人を労役場に留置する。

理 由

弁護人篠塚宏の上告趣意第一点は、原審の事実誤認を主張するものであつて、刑

訴四〇五条所定の上告理由に当らない。

しかし、職権により調査すると、原審の維持した第一審判決は、訴因通り賍物故

買罪に該当する事実を認定するものと解するの外ないにも拘らず、これに対し刑法

二五二条二項を適用して居るのであつて、理由にくいちがいがあるものとせざるを

得ない。かゝる違法は、判決に影響があつて、原判決及び第一審判決を破棄しなけ

れば著しく正義に反するものとせねばならない。

されば、右上告趣意第二点を判断するまでもなく、刑訴四一一条一号により原判

決及び第一審判決を破棄し、同法四一三条但書に従つて被告事件につき更に判決す

る。

第つ審の適法に確定した被告人の所為は、何れも刑法二五六条二項罰金等臨時措

置法三条一項一号に該当するところ、第一審判示の前科があるので、夫々刑法五六

条、五七条により、懲役刑に累犯の加重を為し、以上は、同法四五条前段の併合罪

であるから、懲役刑については同法四七条、一〇条により犯情の重い第一審判決判

示第一の罪について定めた刑に、同法一四条の制限内において法定加重を施した刑

期範囲内で、罰金刑については同法四八条二項により各罰金の合算額の範囲内で、

被告人を懲役八月及び罰金二〇〇〇円に処し、右罰金を完納することができないと

きは、刑法一八条により金二〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、

- 1 -

訴訟費用は刑訴一八一条一項但書により被告人に負担させないことゝする。

よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 中村哲夫公判に出席

昭和三五年二月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!