大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(あ)1855 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意について。

所論は、原判決の認定しない事実関係と独自の見解を前提として、出入国管理令

および旅券法の違憲をいうものであり、しかも憲法の如何なる条項に違反するかも

指摘していないから、上告適法の理由とならない。

弁護人田代博之、同福島等の上告趣意について。

論旨は、出入国管理令六〇条は、旅券法一三条一項五号の規定と相まつて憲法二

二条二項違反であると主張する。

しかし、憲法二二条二項の「外国に移住する自由」には、外国へ一時旅行する自

由を含むものと解すべきであるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許さ

れるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服するものと解すべきであ

ること、および旅券法一三条一項五号の規定は、外国旅行の自由に対し、公共の福

祉のために合理的な制限を定めたものであつて、憲法二二条二項に違反しないこと

は、昭和二九年(オ)第八九八号同三三年九月一〇日大法廷判決(民集一二巻一三

号一九六九頁以下)の判示するところである。また、外国人の出国に関する同管理

令二五条の規定が、憲法二二条二項に違反するものでないことは、昭和二九年(あ)

第三八九号同三二年一二月二五日大法廷判決(刑集一一巻一四号三三七七頁以下)

の判示するところであるから、日本人の出国について右二五条と同旨を規定してい

る同管理令六〇条の規定が、憲法二二条二項に違反しないことも、右判決の趣旨に

徴し明らかである。されば、所論は理由がない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

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昭和三七年五月二九日

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 横 田 正 俊

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