大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)1095 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人久保田源一の上告理由第一点について。

原判決は、被控訴人(上告人)が訴外Dを信用する余り、同訴外人に対し、本件

不動産の所有権が未だ同訴外人に移転しないうちに、印鑑や印鑑証明、登記済証を

交付し、本件不動産の売買代金の内金二〇万円を被控訴人に支払つた上本件不動産

の所有権が同訴外人に移転してから本件不動産の所有権移転登記手続をなすべき旨

の代理権を授与した事実を認定したものであつて、右認定は所掲の証拠に照し肯認

できるから、原判決に所論の違法はない。論旨は採用できない。

上告代理人久保田源一の上告理由第二点、上告代理人堤千秋の上告理由第一点お

よび同第二点について。

原判決は、控訴会社(被上告人)代表者Eは被控訴人方に赴き、本件不動産を実

地に見分するとともに被控訴人に会い、本件不動産の担保提供について被控訴人の

承諾の有無を確かめたこと、被控訴人は、控訴会社の抵当権設定が順位一番の根抵

当権であることに気付かず、これに対し別に異議をいわなかつたこと、控訴会社は、

本件の担保権設定につき訴外Dが被控訴人を代理する権限があるものと信じたこと

をそれぞれ認定したものであつて、右認定は原判決所掲の証拠に照し肯認できる。

その際右Eは上告人に対し本件不動産につき順位一番の抵当権を設定するなどの詳

細を告げなかつたとしても、原判決認定の事実関係の下において被上告会社が訴外

Dの代理権の存在を信ずるについて正当の事由があるとした原判決の判断は正当で

ある。�

されば、原判決に所論の違反がなく、論旨はすべて採用できない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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