大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)1221 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

記録によると、甲一号証の一の写は二通りあり、記録三三丁(第一審記録の部)

の写には上告人の委任に基きD執行吏が昭和三三年八月二八日差し押えた訴外E所

有動産の目録第五号に電気グラィンダー九個見積代価八、〇〇〇円と記載されてい

るが、この電気グラインダーの問題について審理を集中した原審において受理編綴

された同号証の一の写(記録一八二丁)の差押物件目録には五号に電気グラインダ

ー四個見積代価八、〇〇〇円との記載があり、これは右第一審記録編綴の写の誤記

を訂正したもので原審はこの写の通りの原本を採用したものと認められる。されば

所論が甲一号証の一の前記誤記ある写に基いて原判決の違法を主張する点は採るこ

とができない。

原判決挙示の証拠によれば、訴外Fの委任に基きG執行吏が昭和三三年六月二六

日差し押えた訴外E所有の原判示動産のうちにはその差押調書目録五号に表示され

た電気ドリル一個(見積代価二〇〇円)が含まれており同月二七日行われたその競

売において訴外Hに競売された動産のうちには右電気ドリル(競売代価五〇〇円)

が含まれ、その競売調書には目録五号に電気ドリル一個(競売額五〇〇円)と記載

されているが、その後上告人の委任によりD執行吏が原判示二八五〇〇号公正証書

正本に基く強制執行として同年八月二八日再び訴外E所有動産として差し押えた物

件中には電気グラインダー四個(見積代価八、〇〇〇円)が存する旨その差押調書

物件目録五号に記載されてはいるが、すでに前に差し押えられ訴外Hに競売された

電気ドリルというのはこの電気グラインダーの誤記であり、甲一号証の一の本件動

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産差押調書差押物件目録に第五号電気グラインダー四個と記載されているのは部分

品としての個数であつて完成品としては二個であること、結局曩に差し押えられ被

上告人に競売された(電気ドリルと表示された)物件と本件差押にかかる電気グラ

インダー四個とは同一物件に外ならない、という趣旨の原審の事実認定は十分首肯

することができる。論旨は結局原審の証拠の取捨、事実認定の非難に帰し採用する

ことができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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