大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)425 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人土淵益平の上告理由について。

所有権の取得時効の要件たる「所有の意思」の有無は、占有の性質に従い客観的

に決定されるものであるから、権原の性質上占有者に所有の意思を認め得ない場合

には、その占有者が、自己に占有させた者に対し、所有の意思があることを表示す

るか、あるいは新権原により更に所有の意思をもつて占有を始めないかぎり(民法

一八五条)、所有権取得時効の要件は充されない。原判決の事実認定によれば、所

論Dは留守番として被上告人より本訴土地を使用することを許されて使用していた

に過ぎないというのであるから、占有者たる同人に所有の意思があつたことを認め

えないことは権原の性質上自明である。原判示は相当であり論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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