大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)46 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士D名義、同吉田賢三の上告理由は別紙のとおりである。

上告理由第一点について。

論旨は、当裁判所の判決を援用して、原判決が、本件農地の所有権は、昭和一四

年一二月末日、上告人の訴外Eに対する債務の弁済期の経過とともに、代物弁済と

して、上告人から右Eに移転した旨判示したのを非難するのである。

しかし、原判決認定のような契約も法律上不可能ではなく、原判決は証拠に基い

て判示のような契約を認定し、弁済期の経過とともに所有権が移転した旨を判示し

ているのであつて、論旨は要するに、原審の専権に属する事実認定を非難するに帰

し採用できない。

同第二点について。

論旨は、昭和二三年四月二六日成立した調停は、本件農地の所有権が上告人から

Eに移転しなかつたことを前提としている旨を主張するのであるが、右の調停乃至

和解の趣旨を所論のように解しなければならないものではなく、第一点説明のよう

に、さきの停止条件付代物弁済契約により所有権がEに移転したものと認められる

以上、所論の調停乃至和解も、一度移つた所有権をあらためて上告人に移転する趣

旨に解するのが相当である。論旨は原判決認定と異る事実を前提としているのであ

つて採用できない。

同第三点について。

論旨はB(または農地委員会)が本件農地等の買収計画を取り消した事実及び農

地委員会のあつせんにより上告人が小作人等と賃貸借契約を締結した事実によつて、

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前記調停または和解による上告人に対する所有権の移転は許可があつたものと認め

るべき旨を主張するのであるが、所論の行為が許可でないのは勿論、原判決の認定

するところによれば、かかる事実は、上告人の妻Fの申述による農地委員会の誤解

に基くというのであるから、所論の事実によつて、所有権移転の許可があつたもの

ということは、できない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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