大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)549 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

上告代理人林千衛の上告理由一について。

所論民訴一九二条の規定は、訓示規定であるから、これに違背しても、判決が違

法となるものとはいえない。したがつて、原判決の原本が、その言渡の日より二週

間後はじめて、書記官に交付せられたことを以つて、原判決破毀の理由となし得な

い。

論旨は、採用の限りでない。

同二について。

原判文を熟読すれば、原審は、上告人等が昭和三〇年二月一五日以後、本件建物

の所論部分を無権限にて占有して居ることにつき、故意はなかつたけれども、少く

とも過失があつたとの事実を判示して居るものであること、明かである。而して、

原審は、原判決挙示の証拠により、同二九年一一月半頃被上告会社より上告人Aに

対し、本件建物が被上告会社の所有である旨警告したとの事実を認定して居り、右

認定は、これを是認し得る。原審は、右事実、本件建物が同二八年五月二一日被上

告会社の前主D自動車株式会社名義に登記されて居つた事実及び上告人Aが上告会

社の代表者であり、本件建物の所論部分占有後上告会社をして使用せしめて居つた

事実に基き、本件建物の所論部分を無権限にて占有することにつき、上告人等に過

失があつた旨判断して居るのであつて、右判断は、相当である。したがつて、原判

決に、所論の違法はない。

論旨は、理由がない。

同三について。

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原審は、原判決挙示の証拠により、本件家屋中所論部分の賃借料の金額が、昭和

二九年一一月初、月額二万円と約定せられた事実を認定し、その事実に基いて所論

損害金を算定判断して居ること、原判文上明白であつて、その判断は、相当である。

論旨は、結局、原判決を正解しない所より出て居るか、或は、原審の専権に属する

証拠の取捨判断を非難するに帰する。

論旨は、これを採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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