大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)569 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人加藤定蔵の上告理由第一点について。

論旨は、これを要するに、本件家屋(旧建物)が被上告人の建築にかかり上告人

A1名義に所有権移転登記がなされた当時被上告人の所有であつたことは、上告人

株式会社A2商店の争うところであるのに、原審はこれを争わないものと誤解して

事実を確定した違法がある、というに帰着する。

しかし、本件記録および原判決事実摘示によれば、所論の点につき上告人株式会

社A2商店は、「その余は後記第二九号事件の請求原因として主張することと同様

に争う」旨答弁しており、しかも、後記にかかる秋田地方裁判所昭和三二年(ワ)

第二九号事件の請求原因として同上告人の主張するところは、所論の点につき何ら

触れていないのであるから、結局同上告人は右の点に関する被上告人の主張を明ら

かに争わないものと認めるのが相当であつて、これと同旨にいでた原審の判断は正

当である。論旨は理由がない。

同第二点について。

上告人株式会社A2商店が、原審において、所論大増改築により本件家屋の所有

権は上告人A1に帰属した旨の主張をした形跡は見当らない。従つて、右主張のあ

つたことを前提とする所論は、すべて採用し難い。

その余の所論の理由がないことは、論旨第一点について説示したとおりである。

同第三点について。

被上告人が所論日時以降一時秋田市aの妹方に身を隠した旨主張しているからと

いつて、ただちに、本件建物を引続き占有する意思なくその占有を放棄したことを

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自認したものと解すべきではなく、また、これがため上告人株式会社A2商店の本

件建物占有をいわゆる不法占有と認めることを得ないものでもない。

論旨は、以上と相容れない独自の見解に立脚して原判決を論難するものであつて、

採り得ない。

同第四点について。

原判決挙示の各証拠により原判示のような損害額の認定ができないことはない。

論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、九三条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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